イケメンすぎてドン引き!


5月は体育祭の準備として、グラウンドの草むしりをしたような。



あ、あの時だ。スミスさんと出会ったのは。


それから、吉野先輩の本性を暴こう作戦を決行したら、なぜかあたしがスミスさんに迫られて。



『汚物にさわるなぁーーーー!!』



あの時の先輩のキレっぷり、ちょっと面白かったかも。


しかもその後、超凹んでたし。



でも、あたしに手を出すな、ってスミスさんに怒ってくれたことは、嬉しかった。


たぶんすごい勇気を出してくれたんだろうな。



「次は、環境委員会お願いします」



6月はプール掃除だったよな。


先輩がモテモテなせいで変な女子軍団に目をつけられて、思いっきりプールにすっ転んだっけ。



先輩の助けを断った瞬間、めちゃくちゃ機嫌悪くなって。



あたしが女子に殴られた後も、いじけてたな。


どーせ俺なんか頼りになんねーよな、って言ってたし。



「環境委員会の代表の人、いませんか~?」



でもあの神社のお祭で、先輩の気持ちが分かった。



先輩はあたしにも気持ちをさらけ出して欲しかったんだ。



素直じゃなくてクズで可愛くないあたしは、殻に閉じこもったままの状態に安心を感じていただけ。



やっと自分の気持ちと向き合うことができたのに、遅かったのだろうか。



もう一回だけでいいから、彼自身と話したいのに……。



ただの先輩後輩の関係に戻ったまま?


そんなの嫌だよ。



でもいくら追いかけても心を開いてもらえない。



ちくしょう。


本当は家で1人反省会とかしてるくせに。



あたしが、もっと早くに先輩と自分の気持ちに向き合っておけばよかったんだ。


そうすれば、先輩の想いを素直に受け入れられたかもしれないのに。



……悔しい。



後悔したって遅いのは分かってるけど、


もう届かないの――?




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