イケメンすぎてドン引き!


「あの、環境委員会の方ですよね? 呼ばれてますよ……って、大丈夫ですか?」



突然、となりにいた3年生に肩を叩かれたかと思いきや、心配そうな声をあげられていた。



「はっ!」



あたしは我にかえる。



自分の目から涙があふれていたことに気がついた。



やば、もう発表の時間か!



「……っ、ひっく。あ、はい、大丈夫です……」



号泣しながらステージ中央のマイクへ向かったあたし。



フロアに広がる生徒たちの並びは、

前から後ろへドミノ倒しのように列が乱れ、どよめいていく。



「か、環境……いいん、かいの……っ、報告を、します」



あたしのリバーブがかかった涙声が、体育館中に響いた。


いつの間にかたくさんの好奇の目や、ひそひそ声に包まれていた。



あーもう、泣くな落ち着け自分。


ちゃんと仕事はやりとげないと!



「4月……はっ、校内掲示板の、ポスター……っ、や美術部の作品っ、を」



涙のせいで言葉に詰まりながらも、あたしは発表を始めた。



しかし――



「せーの」


「「聞こえませーん! ちゃんと喋って下さーい!」」



ざわついた生徒たちの中から、こんなヤジが飛んできた。


それはどこかで聞いたことがある、女子たちの汚い大声。



いつぞや、あたしに嫌がらせをしてきた女子たちか、その他にも大勢いる先輩ファンかもしれない。



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