イケメンすぎてドン引き!
いつの間にか広い体育館内は静まり返っていた。
生徒も先生も皆、何が起こるのだろうと固唾をのむようにあたしたちに注目している。
「環境委員会は、4月から7月まで、皆さんの生活環境を整えるために活動をしてきました。内容としては、校内掲示物の整理や、グラウンドの草むしり、プール掃除、特別教室の掃除など。
また、最近ペットボトルのラベルを取らないままゴミ箱に入れる生徒が増えています。キャップとラベル、ペットボトル本体をしっかり分別して捨ててください」
あたしが喋るべきだった内容を、イケメンボイスですらすらと発表していく。
生徒たちはしーんとしたまま、皆、壇上の彼を見つめている。
あたしも少しだけ心が落ち着いたけど、改めて今の状況を理解するとともに、
どき、どき、どき、どっどっどっど!
と、早くなる心臓音、安心感やときめきで、体がはちきれそうになっていた。
ずるいよ、こういう時に助けてくれるなんて。
もう離れたくない。遠くに行かないで――。
あたしはそのイケメンの白シャツの背中のあたりをぎゅっと握った。
すると、彼はちらっとあたしを見た後、後ろに手をまわしてあたしの手に指をからめた。
「あ……」
あたしの手は、大好きな彼のごつごつした細い手にぎゅっと握られた。
そして、先輩は繋いだままあたしの手を上に掲げ、
「……あと、最後に。俺のことイケメンイケメンって言ってくれるのは嬉しいけど、俺と仲良いってだけでコイツのこと悪く言わないでくんない? まあ、確かにコイツ性格も見た目もそこまで可愛くないから、俺に付きまとってるだけに見えるかもしんないけど。一応、俺の大事な人だから。何も知らないくせに人のこと自分の都合のいいように勝手に妄想しないでくんない?
とりあえず、さっきコイツのこと悪く言ったヤツ、笑ったヤツ、ぜってー許さねーから。後で1人ずつぶっ潰しに行くからな、このF××Kinクズどもが!!!」
とドスのきいた声で、全校生徒に啖呵をきった。
ちょ、ちょ、ちょ、
パパパパパパ、
パイセンーーーー!?!?