イケメンすぎてドン引き!







「お前さーいつになったら手、離してくれんの?」



「もう絶対に離しません」



「俺、トイレ行きたいんだけど。しかも大の方」



「……うっ」



「冗談だよ、ばーか。あははは」



オブチさん具合悪いらしいから保健室へ連れていきます、と先輩は先生に伝えたため、2人であの場から離れることができた。



そのまま、終業式を2人でサボることに。



雲ひとつない青空。


直射日光が、つながれたあたしたちの影を石畳の上に映しだす。



「……全校生徒の前ですごいこと言っちゃいましたね」



あたしがそう言ってすぐ隣にいる先輩を見上げると、


「あーあ。今まで築き上げてきたイケメン吉野くん、終了かなぁ」


と彼はどこか安心したような笑顔で、ため息を吐いていた。



「しかも1人1人ぶっつぶしに行くって……怖っ。普通漫画とかだとお前らまとめてぶっつぶすって言うのが定番じゃないですか?」



「やっぱお前、いちいちうるせーな」



不機嫌そうな顔になりつつも、先輩の顔と耳のあたりは赤くなっている。



ああ、可愛いなぁ。



久しぶりに本当の先輩が近くにいる。



嬉しさと速くなる鼓動のせいで、ぐっと喉が詰まる。



でも今だ。ちゃんと伝えなきゃ。




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