イケメンすぎてドン引き!
「でもそれよりも、俺がどうしたいかだよな。腹くくるのに時間かかってごめん」
「本当ですよ。あれだけ避けられたらあたしだって心折れますよ」
「お前はな~。こういう時くらい可愛いこと言えよ」
そう言って、先輩は笑いながらゆっくり腕をほどき、
もう一度、ごめん、と言ってから、あたしの頭を優しく撫でた。
視線を上げると、その整いすぎたイケメン顔にドキっとするとともに、
真っ直ぐに向けてくれる優しい瞳に吸い込まれそうになる。
「好き」
「うん。俺も」
「あの、これドッキリじゃないですよね」
「もしそうだったらどーすんだよ」
「嫌だ! もう絶対離れません!」
そう伝えると、先輩はくしゃくしゃとあたしの頭を撫でた後、
空のど真ん中に位置している太陽がまぶしかったのか、あたしを石畳の道の端――木陰に連れて行った。
葉っぱ越しに太陽の光がまばらに射し込んでくる位置へ。
誰かが通ってもすぐ見つからないようにしたのかもしれない。
「モモカ」
気がつくと、先輩の甘い囁き声と熱い視線に捕えられていた。
「は、はい……」
暑い空気と激しい鼓動が入り混じって、体がとろけそうになる。