イケメンすぎてドン引き!


「キスしていい?」



「え? その……き、聞かないで下さいよ。恥ずかしい」



「だって、この前告白もしないで、無理やりチューしようとしたのすげー反省したし。お前そういうのダメなやつじゃん。

……だから嫌われて他の男と付き合い始めたと思った」



「もう……本当ネガティブっすね」



「しょーがねーよ。お前がいないと俺1人反省会で悪いことしか考えられねーもん」



「あはは、やっぱあたしがずっとそばにいてあげなきゃだめですね」



そう言ってあたしが笑うと、ぐっと先輩は顔を近づけてきた。



「お前だって俺がいないとだめじゃねーの?」



「ちょ、それ。うぬぼれすぎだし」



顔を熱くさせながらも、やっぱり可愛くないことしか言えないあたし。


かまわず先輩は更に近づき額をくっつけてきた。



「すぐ俺なしじゃいられなくしてやるよ」



漫画みたいなくっさいセリフに吹き出しそうになりながらも、爆発音のような鼓動が全身を包み、体が動かなくなった。



「……っ」



ゆっくりと唇が重ねられる。


自分の全てをゆだねたくなって、そして、先輩の全てを欲しくなってしまう。



キスって、こんなに幸せなことなんだ。



大好きな人と、両想いになる幸せを知ってしまったのだ。


もうすでに先輩なしじゃ生きられなくなっていそう。




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