イケメンすぎてドン引き!
「おせーよ。俺が帰る準備終えた頃にやっとデリバリーか?」
3年5組の教室前にて。
あたしの手からコーヒー牛乳パックを奪い取った吉野先輩は、
不機嫌そうにそう言い放った。
「ぜーぜー。勝手に場所移動しないでくださいよ。めちゃくちゃ探したんすけど」
目的のものを購入し、先輩がいたはずの場所に戻ると、
すでに彼の姿はなかった。
(ちょうど業者さんが飲み物の入れ替えをしていたため、ちょっと時間がかかってしまったのだ。)
あたしは、廊下を探しまくった後、
仕方がないので吉野先輩のクラスであるこの教室に来てみた。
すると、普通に友達と談笑している彼の姿を見つけ、何かすげームカついた。
その時、突然、
「吉野クーン、この2年だーれー?」
と、教室前方の扉近くにいるあたしたちの間に、1人の女子が割り込んできた。
先日のゆるふわ茶髪女子とはまた別ジャンル。
明るいストレートヘアで、何重にも目の周りが囲まれた厚化粧の派手な女子。声もハスキー系。
「ん、この子? 同じ委員会の後輩」
「あ、思い出したー! あのくっさいローファーの女の子だー」
そう言ってそのケバい女子は、
両手でピースマークをあたしに向けたかと思いきや。
立てた中指を人差し指に交差させ、『バーリア!』とポーズを作った。
あたしの怒りゲージがガンガンズンズン更に上昇していく。
すると、追い討ちをかけるように、
「吉野クゥ~ンどうしたのぉ? あ、この前の子だぁ。うちのクラスに何か用?」
と、この前のゆるふわ茶髪女子が、
すげー胡散臭い笑顔であたしに話しかけてきた。