イケメンすぎてドン引き!







帰り支度をして、ピカピカのローファーをはき、空の傘立ての上に腰をかける。



がやがやした下駄箱ゾーンは、

部活に向かう人、帰路につく人など、様々な生徒が騒がしく行き交っている。



先輩がやってきたのは、

ちょうどその波が途切れた瞬間だった。



「おい」


「…………」



先輩は座ったままのあたしを見下ろす。


外からの光に半分だけ照らされ、少しうねった茶髪が金色っぽく透けて見えた。



「帰るぞ汚物」


「オブチです……」



なぜか、あたしは今、その顔を見れなかった。



「どーした。行くぞ。同じ方向だろーが」


「はい……」



あたしは、パシりついでに先輩のお金で買った、

いちごミルクをストローですすりながら、広い背中を追った。


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