イケメンすぎてドン引き!
☆
帰り支度をして、ピカピカのローファーをはき、空の傘立ての上に腰をかける。
がやがやした下駄箱ゾーンは、
部活に向かう人、帰路につく人など、様々な生徒が騒がしく行き交っている。
先輩がやってきたのは、
ちょうどその波が途切れた瞬間だった。
「おい」
「…………」
先輩は座ったままのあたしを見下ろす。
外からの光に半分だけ照らされ、少しうねった茶髪が金色っぽく透けて見えた。
「帰るぞ汚物」
「オブチです……」
なぜか、あたしは今、その顔を見れなかった。
「どーした。行くぞ。同じ方向だろーが」
「はい……」
あたしは、パシりついでに先輩のお金で買った、
いちごミルクをストローですすりながら、広い背中を追った。