イケメンすぎてドン引き!
校門を出て細い路地を進むと、駅に向かう県道にさしかかる。
電車通学の生徒が多いため、だいたいの生徒はそっちへと進む。
あたしと先輩は、その県道を横切り、再び住宅街の細い路地に入る。
すると、汚物ローファーをぶつけてしまったあの石段にたどり着く。
急に口元を抑えつけてきた、手の温もり。
『下駄箱で待ってて』
女どもがキャッキャしてる隙に、耳元で囁かれたイケボ。
――素直に言おう。
あてくし、心外にも超どきっとしてしまいました!
だって今までこういうシチュエーションとは全然ご縁がなかったんだもん!
あたしなんかがこんなイケメン先輩と親密になれるわけがないし、
先輩にキャーキャー言っている女子連中とは全く違う人種でもある。
だからこそ普段通りの自分で先輩に接することができるのに。
あーちくしょう!
何か悔しい!