イケメンすぎてドン引き!
小石がちりばめられた石段を下ると、
町の神社に続く石畳の小道が広がっている。
「……先輩は何であたしなんかに構うんですか?
この前みたいにあのビッ……美人な先輩たちと帰ったらいいじゃないっすか」
階段を下り終える直前、あたしは先輩の後姿に向かってそう言った。
やっぱりあのケバ女やゆるふわ女など、イマドキの美人さんと先輩は仲良くすべきだと思う。
だって、どうみてもあたしじゃ釣り合い取れないし。
くっさいローファー顔面にぶつけちゃってるし。
この状態を誰かに見られでもしたら、絶対に先輩のファンたちに体育館裏に呼び出しくらっちゃうし!
先輩は、「ん?」と声を出し、ゆっくりとあたしを振り返った。
開きかけた桜の花が夕日に照らされている。
枝ごしにオレンジの逆光をまとった先輩は、いつもの3割増でイケメンだった。
格好良いよ。ずるいよ……。
ごくりとつばを飲み込むと、胸の鼓動が速まっていて、
じわじわと全身に熱が広がっていることに気がついた。