イケメンすぎてドン引き!



「だってお前は……」



真顔で先輩が口を開く。


あたしは石段を下りきらないまま、次の言葉を待った。



「やっと見つけた、俺の……」



あたしは、先輩の……

何なんだろう?



お姫様? アハ、んなわけないよね~!



次に続く言葉が全く想像できない。



ごおっと風が吹き、先輩の後方で桜の枝がぶるっと揺れた。



先輩はすっと息を吸い込む。


あたしは再び生唾を飲み込む。



軽い沈黙の後、先輩はこう言い放った。



「貴重なストレスのはけ口なんだよ。ストレスの掃き溜め、あ、お前汚物だから肥溜めってかー! ハハッ!」



あーなるほど。



あたしは、先輩のストレスのはけ口ね。



こえだめね。



って。



はあああああああ!?!?



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