イケメンすぎてドン引き!


そうだ、あたしなんかが先輩みたいなイケメン(内面はクズっぽいけど)とイチャラブできるわけないんだ。



どこかの素敵な王子様があたしに惚れてくれる、

なんてのはやっぱり少女漫画やケータイ小説の中の世界。



もしくは、あたしみたいな平凡クズ女子なんかじゃなくて、

可愛くて純粋で天然で無自覚な良い子にしか、そういうのは訪れないんだ。



ガラスの靴……じゃなくて、ウ○コローファーの魔法はもう解けたんだ!



さあ、目覚めなさい、真のあたし!



あたしはわなわなと拳を握りしめ、ふつふつと発酵していく怒りをためる。



怒りの炎を片手に、体の中を走り回っていた聖火ランナーが、


聖火台、もとい、あたしのハートに……それを点火したー!



えーい


放出してしまえ!




「あーーー! さすがはイケメン様ですね! こんなあたしみたいな一般庶民捕まえて何かと思えば、ストレスのはけ口として利用されてたんですね。なるほどイケメン様の考えることは次元が違いすぎて、2次方程式すら解けないあたしのちゃちい脳みそでは全く理解できません! 

ま、どーせ先輩は、お城の上で、貧困にあえぐあたしみたいなしょぼい人材を眺めながら、パンがないならケーキを食べればいいじゃない、なんてほざいてるタイプなんでしょ?  庶民はさっさと馬車馬のように働け働けってか? そして、昼は美女たちとティータイム、夜は美女たちとダンスパーティー&良い子がいればテイクアウトしちゃう~? 的な~? クズ貴族きどってるんじゃねーよ!」



「え……?」



< 34 / 262 >

この作品をシェア

pagetop