イケメンすぎてドン引き!







次の日。



ああああ、学校さ行きたくねー。



いつも通り遅刻ぎりぎりの時間なのに、

あたしは重い足取りで、石畳の道を進んでいた。



はぁ、もう吉野先輩があたしなんかに構ってくれることは一生ないだろう。



でもまた委員会の日に会うんだし、謝罪しなきゃいけないよな……。



もんもんとしながら石段に近づく。



すると――



「うわっ!」



あたしは驚きのあまり、近所迷惑になりそうなほどの大声を上げてしまった。



そこには、階段の一番下でうずくまっている、


同じ学校の制服のイケメン、



――もとい吉野先輩が!




「せ、先輩?」


「あ、汚物……じゃなくて、オブチさん。おはようございます」



そう言って、先輩は座ったまま深く頭を下げた。



見た目はいつも通り、しっかりとワックスでセットされた茶髪、少し着崩したブレザー。



しかし、香水の爽やかな匂いを漂わせているものの、

目はうつろで、いつものイケボもワントーン低めだった。


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