イケメンすぎてドン引き!
何が『ふーん』なんすか!
ぎゃ、もしかして鼻毛とか出てたかな?
「……お前の弱点見つけた」
「え? な、何か言いました?」
「何でもねーよ。とりあえず学校行くぞ汚物……じゃなくてオブチさん」
ま、いっか。
汚物ローファーぶつけてるくらいだし、
鼻毛の一本や二本くらいこんにちはしてても。
「あの、昨日はあたしも、イケメンへの偏見丸出しで、ひどいこと言っちゃいました。すみませんでした!」
「ん? ま、お互い様っしょ。
お前が超あまのじゃくで超ひねくれたヤツってこと分かったし」
先輩はいつのまにか凹みモードを脱出し、
普段の姿――本性モードに戻っていた。
「……そういう先輩も、みんなの前ではいい顔してるのに、
人のこと下僕みたいに扱ったり、調子に乗ったりヘコんだり、色々とお忙しい方なんですね」
「ああ? 汚物のくせに人のこと分析すんじゃねー」
「だからオブチですってば」
先輩はイケメンだけど、あたしが思っていたイケメン像とは少し、いや、かなーりかけ離れているのかもしれない。
制服を揺らす風に心地よさを感じながら、
あたしは先輩と一緒に学校へ向かった。