イケメンすぎてドン引き!
先輩と一緒にいるのがバレると絶対に面倒くさいことになるって!
あたしは必死にドカスカとエスカレーターを逆走し、2階へ戻った。はふぅ。
「吉野くーん、誰と来てたの~?」
「ん? 地元の友達とだよ。俺だけトイレ行ってて先帰ってもらったー」
「そーなんだぁ。ねープリ撮ろうよぉ」
「いいよー俺でよければー」
1階から女子たちの大声と、先輩の明るい声が聞こえてくる。
それから間もなく、先輩から
『ごめん。こっそり帰って』と、ラインが届いた。
良かった。
先輩、あたしと一緒にいたこと、あの女子たちに内緒にしてくれた。
と、心をほくほくさせていたのは束の間。
「……ん?」
いやいやいや、何調子乗ってるんだ、あたし!
あたしみたいな汚物と放課後遊んでいたなんて、
そんなの恥ずかしくて誰にも言えねーよってことだ絶対!
……とりあえず、帰ろ。