イケメンすぎてドン引き!
☆
「じゅういーち、じゅうにー!」
「じゅうさーん」
体育祭が近づいてきた。
風にあおられながら、ぽーんと白いソフトバレーボールが放物線を描く。
「じゅうよーん、あっ! ごめーん」
しかし、落ちてきた瞬間、近くの女子が間違った角度で手を出したため、急角度でボールがあたしの足元に向かってきた。
「じゅうごぉぉおっ!」
瞬時にあたしは手を伸ばし、根性のダイビングレシーブをかました。
オブちゃんナイス! という声が響く。
今は、クラス対抗円陣バレーの練習中。
クラスの約半数が選手になるこの競技に、
あたしとヒロキ氏とミーちゃんも参加することになった。
「お前、せっかく色々できるんだし、何か部活やればよかったのに」
隣にいるヒロキ氏が、空にふわりと打ちあがるボールを目で追いつつ、
そう話しかけてきた。
「んー、中学の時、女子のゴタゴタあったしもういっかな~、って感じ。よいしょっと」
あたしは、そう言いながら、
円周上のクラスメイトに安定したトスを上げる。
中学時代のあたしは、テニス部。
前衛の一番手を務めていた。