blue spring
「どうしたの?」
「お母さん。
私、
人に自分の家の事を話すといつも嫌な思いをさせてしまうから、
どう話したらいいかわからない。」
「そのまま話せばいいのよ。
ダメだったらまた新しい友達を見つければいいだけの話じゃない。
世の中に人なんてごまんといるのよ。」
「彼は幼稚園以来久しぶりに出来た友達。失うのは嫌。」
「大事なのね。」
「大事?消えられるのが嫌なだけだよ。」
芹花はそう言って優真の隣に行った。
「初めて俺の名前言ってくれたな。」
「そうだっけ?」
「そうだよ。」
芹花は部屋に戻るために道を曲がって行こうとした時、優真が芹花を引き止めた。