blue spring
「それで、どうやってうちの子と友達になるような事になったんだい?」
芹花のお母さんは部屋に着くなりその話をふってきた。
だけど、なにかお茶の用意なのか座りながらごそごそとなにかを取り出したりしていた。
「そ、それは、
彼女はいつも授業が嫌で先生に追いかけられる事が多くて、
いつもそれを見てました。」
「ほぉ、いつも。」
「え、あの、目立ってたからです…。」
優真は最後の方で恥ずかしくなって、声が小さくなっていた。
それを見ている周りの目もだんだんニタニタと意地の悪い顔をしていくので、
余計、恥ずかしさが倍増されていた。
そして、芹花のお母さんが
「で?」
と話を繋げてくれた。
「えっと、それで、
その日は、
芹花は登ったら危ない校舎を登っていて、
崩れているところに俺が居合わせただけなんです。」
「へぇ、坊やは芹花の王子様だったとは、それは恐れ入ったわ。」
芹花のお母さんがそう言って笑っていると、
「何恥ずかしいセリフをスラリと言ってのけているの?」
芹花が部屋に入ってくると、少し静かに
なった。
彼女は薄い桃色のワンピースを着ていた。