blue spring
だが、優真は芹花の家に遊びに来た。
「雨が降るなんて運わりーなー、」
「そうだね。」
「明日には花は散ってるだろうな。」
「そうね、悲しいね。」
芹花の言う悲しいと言う言葉の意味が優真にはわからなかった。
「また来年があるじゃん。」
「そうだね。」
二人は雨を見続けていると、孝義が後ろから出てきた。
「お嬢さん、坊ちゃん、お昼の用意が出来ました。」
「あ、じゃぁ帰ろうかな。」
優真はそう言って立ち上がろうとすると、芹花は
「え?」
と言って優真の服の袖を掴んだ。
「優真の分もあるよ?」
「え?そんな、悪いって。」
「ですが、用意をしてしまいましたので。」
孝義は優真を担いで連れていってしまった。