blue spring
「佳子(かこ)、そんなに叫んでは隣人に迷惑をかけるよ。」
「芹哉(きんや)さん。だけど…、」
「子供は元気が一番さ。」
そう言って芹哉という男は優真に近付いた。
「で、君は芹花のなんだ。」
「え?友達ですけど?」
「ほんとに!ただの!!友達なんだね!」
芹哉は孝義から優真を下ろして言った。
優真は怯えながら
「も、もちろん。」
とガシッと身動きが取れない状況なので、苦し紛れに頭だけ少し引き気味に言った。
その言葉を聞くとニコと微笑んで
「そうか、そうか!ならいいんだ!」
と大声で言って優真の背中を叩いた。