blue spring
この日を境に優真は芹花の家に入り浸る事が多くなった。
「芹花!今日はテスト勉強をしよう!!!」
「いきなりだね。」
「母さんと約束したんだ!テスト80点以上で新しいゲームを買ってもらえるんだ!!」
「へぇ、何のゲーム頼んだの?」
「え、あ、それは……。」
優真は急に誤魔化しだすので、芹花は聞いてはいけないことを聞いたのでは、と思いそのあとは詮索しなかった。
それから黙々と勉強をしていると、よくあることが起きた。
見た目とのギャップと言うやつだ。
メガネをしているせいか、とても優等生に見える優真はなかなか勉強が苦手なようだった。
芹花はというと、いつもの悪行からは計り知れない程に頭がよかった。
「芹花、実は頭良かったんだな。」
優真は勉強で疲れてしまったようで机に顔を伏せながら言うと芹花はふふと笑った。
「優真は実は勉強が不得意だったんだね。」
「あぁ。不得意というか嫌いだよ。」
芹花はふふと笑って優真に近付いて一緒にノートを覗いた。
そして、勉強を教えてくれた。
優真はその時、自分が置かれている状況にドキドキした。
女子とこんな近くにいる事が無いせいかとても緊張する。
俺は今、芹花に変に思われて無いだろうか。
緊張しすぎて手が震える。
そう思いすぎて芹花を凝視していたので芹花に
「どうしたの?」
と聞かれてしまった。
「い、いや!なんでもない!!」
そう、と言って芹花はそのまま、あいてしまって解けない問題を教えてくれた。
「芹花勉強教えるのうまいな!!」
「ありがとう。」
二人はそのあと一通りの勉強をしてまた昼食を一緒に食べて帰っていった。