blue spring
女子も芹花に言われて、急いで準備をし、それぞれ男子は男子、女子は女子、と別れて行くことになり、同じ団体の中にいる優真は芹花を気にせずにはいられなかった。
その心配はもちろん芹花が和の中にとけ込めていなさそうだったからだ。
芹花は誰かに話しかけるという事は無くただ、始終空を見ていた。
だが、心配していたの杞憂だったようだ。
クラスの中で大人しそうな女の子が芹花に声をかけていた。
芹花は笑顔で会話していた。
よかったのだが、自分を頼って欲しかったような気もした。
そして、打ち上げをするお店までやってきて、また男女分かれて座った。
優真は出来るだけ女子席に近い席を取った。
芹花も無意識かもしれないが、男子席に近い席を取っていた。
ギリギリ話せる距離だった二人は優真が芹花の背中をつついた。
「うまくいってるみたいだな。」
「?、うん。」
「友達出来たみたいでよかった。」
芹花がわかっていなさそうだったので、もう一度言うと芹花は理解したようで作り笑いじゃない普通の笑顔になった。
「優真は先生にも頼られる人だったんだね。」
「なんだよ急に。」
「別に、そう思っただけだよ。」
そこで優真が頼んだ食べ物が来たようで前を向いて食事をとり始めた。
芹花はそこであまり食事をしなかった。
たぶん、家でなにか用意されているんだろう。
今日1日で芹花はクラスの和にとけ込めたように見えた。
女子も芹花によく話しかける姿が見えた。
何を話しているかは見えなかったが。
「ねぇ、ずっと気になってたんだけどね。芹花さんとシンデレラって付き合ってるの?」
「え?シンデレラって?」
芹花が少し可笑しそうに聞いてくるのでみんなあ、普通の子なんだと思って少しクスクスっと笑って
「シンデレラはね、灰藤って灰ってついてるじゃない?」
と言うと芹花はうん、と頷いた。
「そこから灰かぶり姫って言うのに導かれたの。」
「ふふ、優真には似合わないね。」
と笑って言うと、みんな
灰藤を名前読みしてる!
と騒いで芹花に質問の嵐が起こった。
終わって、みんなが少しずつ解散していってると芹花は一息ついていた。