とんだ勘違いから
今日はプロジェクトの発表の日だ。
部長以上の階級の人たちが会議室に集まっている。
そして課長の有本に発表させる。
帰ってきてから1ヶ月以上もかかってしまったがアメリカとのサーバーも交えて俺達1課の作り上げた情報網管理システムを紹介するんだ。
みんな長テーブルが置かれた席に座って社長がやってくるのを待っていた。
緊張感が感じられる。
なんせ水友の社長は俺とほとんど年が変わらないと聞いている。
引退した会長の顔は何度か会議室でうかがったことがある。
この現在の社長は仕事には厳しい方で芯の通った人だが愛する人のために完全週休2日を全社員が実施するように通達した情熱的な人だと聞いていた。
昔はいろんな子会社に出向しては社長風を吹かせるわけでもなく中に入り込んでいろんな不正や納得行かない人事などを再編したりも。
女に振り回された俺としては、何言ってるんだと思ったこともあったが
この指揮のおかげで社員の仕事に対する姿勢ががらっと変わったことには感心の念しか無い。
ドアが開き社長が先に席へと進む。
その後ろに秘書が次々と入ってくるがその中に見知った顔が目に入った。
何だアイツ、こんなところで。
それはバーでいつも飲みつぶれているまこだった。