とんだ勘違いから
俺は指定されたカウンター席に座るとこいつが頬杖をついて俺のことを見る。
「あんた、相変わらず良い男ね。
私のペットにしたいくらい。」
一瞬顔を赤らめたような気がしたが
「まだそんなことしてるのか?」
そう返事すると、俺の顔を見てふふふと変な笑いを浮かべ
「キャッ、こんなこと言ったら隆治に怒られちゃうわ。」
こんなことをさらっと言いながら俺がいつも飲んでいたジャックを差し出してきた。
「俺まったくその気ねーから。
隆治と上手くやってんだろう?」
「もちろんよ。今日は誰かと仕事終わったら会うんだって、
でも彼のこと信じてるから平気よ。」
そう言って不安な顔も浮かべず俺に話すコイツを見て
「信頼しあってるんだな。」
ポツリと俺はつぶやいた。