とんだ勘違いから

みんなが俺等のほうを見ている。




一番驚いたのは俺だ。


女装した男が俺の腕に絡み付いて帰ろうなんて言うんだから。


「お前何言って」


「いつもの所?私も行くからちょっと待ってて。」


ちょっと待っててって言ってなんなんだよ。

でも顔を見て

「ああ、それは。

玲のところならいくつもりだったけど。」


と返事する。




すると


「なんだ、前田部長そういうことだったんですか。


やっぱり美人は放っておかないですね。

部長いい男だしな。

女子社員が放っておくことないって思ってたんですよ。

でも、川手まこちゃんまでもか..」

そう言って残念そうな表情をした有本がまた話聞かせてくださいというオーラを見せながら後ろ髪をひかれるように、帰っていった。



合コンの男性もしばらく俺達のことを見てたけどまこのことを諦めたのか他の女子と一緒に二次会へ繰り出していった。



「さ、私達も行きましょう。」


初めて仕事以外でまともな会話をした。


仕草を見ていると本当に可愛い女だ。








「部長ありがとうございました。

少し強引に誘われちゃってて。

入った時から気付いてました。


何かあったら部長のところへ行こうって。」



なんだこんな女みたいな喋り方。





「ぜんぜん飲んでなかったんだな。」

有本が実況中継でまこはお酒に口をつけていないといっていたから。


「飲むのはあそこだけって決めてるから。」


そう言ったまこの横顔が訳ありそうな気がしたが俺には関係ないと深入りすることはなかった。





着くと二人で入っていったのを見た玲が目を大喜く開けて驚いたみたいに俺たちを見た。







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