とんだ勘違いから
それから少し話をしたが混み合ってるこのバーで俺の相手だけしてるわけにもいかず
「玲ちゃん、こっちのテーブルにビール!」
と言われて去っていった。
玲ちゃんだってさ、
なんて呼ばれ方してんだ。
いい年したくせに
多分あの客たちは年下だぜ?
なんて思いながら俺はこの久しぶりの日本語が心地よかった。
すると少しして俺の大学時代の親友の隆治がやってきた。
「いらっしゃいませ─。
あっ、たかはるー。」
と猫なで声を出す玲に手を上げたあと俺を見つけて隆治が隣に座った。
「久しぶりだな。
元気だったか?
もう吹っ切れたか?」
会っていきなりコイツは俺の昔の事を聞こうとするから
「うるさい、関係ないだろ。」
「そっか。」
と返事をしてからはこれからのことについて話をした。
仕事に戻って部長になったこと。
玲が何度も足を運んで俺たちの会話に入りたがっていたが金曜日の夜でバーは忙しくてチラッと見て酒を作ることぐらいしかできなかった。
やっと客足が減った頃には玲が客に捕まっていた。
かなり酔った様子で玲にとぐろを巻いている。
玲もこの客のことを心配してるみたいだ。
俺が一人でカウンターで良い潰れている客を見ると隆治が
「ああ、あいつ、いつもあんなんだから。」