とんだ勘違いから
見たところ髪の長い女って感じにしか見えない。

頭をカウンターに乗せて腕も伸ばしきってカウンターに体を預けてるみたいだ。


「いつもあんなって、

なんで放って置くんだよ。


早く追い返せばいいんじゃないか。」


「うわ、


お前容赦ないな~。



ダメダメ、あいつは玲のお気に入りだから、変なことするなよ。」


なんで俺が変なことするんだ?


「まさか、俺にはそんな気ねーし。」



本当にそう思ったからそう言ったら


「可愛いやつなんだけどね、

人に対してバリア張っちゃって。


健気なやつなんだ。」






そんなことを話していると玲がやってきて


「ねえ、この子うちまで連れて帰って上げてくれない?」


と俺のことを見る。


「なんで俺が。


お前が連れてけばいいだろ?


俺どこに住んでるかも知らねーし。」


こう言いと諦めると思ったら


「住んでるのはこの上のマンションよ。」

そう言って玲が人差し指を上に向ける。



「何だそれなら、隆治が連れてけば」


いいじゃないかと言いかけるとすごい勢いで


「まさか、隆治がこの子に触れるなんて許せるわけないじゃない!」


といきなり怒りだしたから


「わかった、分かった。

連れてけばいいんだろ。



何階?」



その時玲がニコッと笑って


「14階。

私の妹分なんだから何かあったらただじゃおかないわよ。」

と頼んできたくせに釘を刺されて俺はこの子を連れて店を出た。








その後二人がほくそ笑んでいたのを知らずに。。。。。
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