とんだ勘違いから


「お帰りなさい、まこと。

今日は夕飯に鍋をしようと思うんだけど。」



「どうしたの?

お父さんが出張?一緒に行けばよかったじゃん。」


「でもねー、まこと置いていきたくなかったのよ。

今週はお父さん帰って来れないから今から行きましょう。」


そう言って車に乗り込むと近くの空港まで出向いたらすでに飛行機が待機していた。


「もう、こういうことにお金使っちゃだめだって言ってるでしょ?」


「私用だけじゃないわ。

今回はお客さんを連れて行くように言われているのよ、」


しばらく待つとリムジンから体つきのいい男性が出てきた。


「ああ、久しぶりだね、まこと」


その人は私が海外にいるときにお世話になったアンディおじさんだった。


お父さんと落ち合うために一緒に乗り込んでいくって言うから

それならって私も一緒に飛行機に乗り込んだ。








おじさんが

「まこと、いい恋してるか?」

と聞いてきたから

「全くそんなのないですよ。」





仕事が恋人です、


なんてカッコウつけて言ってみたりして。






わざわざ北海道まで出向いてかに鍋を食べていた。


金曜日の夜はお酒を飲んで、週末は両親と過ごす、今まではそんな毎日の繰り返しだった。
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