とんだ勘違いから
それから私は1課の一員として前田部長から仕事を教えてもらった。


自分で調べて数字を書くというのはとても難しく覚えることがいっぱいで毎日あっという間に時間が過ぎていった。



お昼は秘書課のみんなと食べる。

1課の人達は各々の食事時間が違うみたいでお昼時間は抜けやすい。


「イケメン1課の仕事はどう?


イケメンばっかりの中で仕事なんて羨ましいなー。」


と聞かれるから


「忙しくて大変だよ。」

とそつない返事をする。


まだ周りを見る余裕もなく仕事を覚えるのに必死だから。





でも、だんだんと一人でパソコンに向かう時間が増えて前田部長から少しぐらいなら任せてもらえるようになった。




そして見上げるとランチタイムからすでに時間が過ぎていて私は急いでカフェテリアへ行ったけどもう誰もいなくて一人で食べた。



その時携帯にメールが届いた。

秘書課の先輩が私がお昼に来ないうちに合コンの計画を立てていた。


もちろんランチに来なかった私に拒否権は無く


了解です、とだけ返事をして携帯を閉じた。


了解しておかないと先輩たち怒っちゃうから。








仕事が終わって先輩が今日の合コンは証券マン。

なんて言われても、ふーん、としか返事できない。

だって興味ないから。




早く終わらないかな、玲のバー行きたいな、なんて思いながらも相槌をうっていると化粧室から戻った先輩が


「1課の前田部長と有本課長が来てるわよ。ヤーン、良い男ね。

もう一人はちょっとだけど。。。」

彼女は前にプレゼンテーションで顔を見たから覚えていた。


私は目でどこに座っているか確かめた。



そして、もし何かあったら、なんて考えていた。

初めて逃げ場ができたと思って嬉しくなって合コンでは楽しく過ごしていた。



そして時間になって私は

「迎えが来ているので。」

と初めて合コンからうまく抜け出すことができた。



そして部長のところへ向かった。



もちろん部長が驚いて

「お前何言って」

と言っていたがそのまま続けて


「いつもの所?私も行くからちょっと待ってて。」


とすごくスムーズに演技できたと思った。



するとなんと部長が


「ああ、それは。

玲のところならいくつもりだったけど。」


と玲さんのバーに行くと言ったみたいに聞こえた。








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