とんだ勘違いから
「前田部長、さっきのお誘いですが。


今晩もちろん行かせてください。


それから、今日のお昼もご一緒してくれますか?


もう秘書課の先輩たちご飯食べるの終わってるから…」

なんて自分で考えられないぐらい大胆に部長を誘っていた。


前に一人で社食に行った話をしたら、時間が合えば付き合ってやると言われていたから

しつこいのは嫌かなと思ったけど、部長にはなんでも言える気がして。




驚いた顔をした部長だったが


「おう、わかった。

じゃ、昼は任せるから夜は俺が選ぶからな。

あと十分後に仕事切り上げるんだぞ。」


と言ってくれて、ハイっと返事をして席に戻った。


お昼を食べに行くのは本当に初めてでいつも先輩といってるお気に入りのパスタの店に部長を連れて行った。



すると

「この店新しいんだな。

昔はここに食堂があったんだけどな。」

なんて懐かしい話をしてくれた。

部長が入社した頃はここに定食がうまい店があったって言っていると、

お水を持ってきた店員さんが部長のことを覚えていたみたいで、

ここは息子の代になったみたいで今でも昔のメニューも少しは出せるんだって言ってくれた。


「まだいつものってあるの?」

なんて半信半疑に聞くから店員さんがマスターに聞きに行くと

顔を出したマスターが驚いた顔をしたが腕を上げて


「あるよ!

でも、そのおねえちゃんの前で食べるのかい?」

なんていうから、


「あっ、そうだな、また今度来るよ。」

と言ってそのメニューはオーダーしなかったから

二人でパスタを食べている時に


「なんのメニューなんですか?

ちょっと気になります。」

と言っても、イヤー、あれ見ると食欲なくすかもしれないからな…


なんて言って教えてくれなかった。


でも、こうやっていろんな部長のことが知れて嬉しくなった。







そんな時社長から呼び出された。








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