とんだ勘違いから
「え?お前まこと付き合いたいの?」
そんな素っ頓狂な部長の声が聞こえて
そのあと有本課長が
「あっ、やっぱりマズイですかね。先輩の彼女にしようと思ってる人。」
「いや、俺アイツとは付き合えないし。」
やっぱり私は恋愛対象じゃないのかな。
ご飯食べに行っても、まるで私のことを男のように扱ってるし。
すると「先輩まだ吹っ切れてないんですね。」
有本さんが、部長には他に想い人がいるみたいなことをほのめかした。
「そんな簡単じゃねーよ」
部長の返事でわかった。やっぱりそうなんだって。
どんな恋愛をして吹っ切れないぐらいの女性だったのかな。
私の胸がズキズキといたんだ。
あんなに寂しそうに答えた部長の想い人はどうしてあんなに素敵な彼をほったらかしたんだろう。
私はそのまま仕事に戻らず玲さんのところへ向かった。
一番彼を知ってる身近な女性だと思ったから。