とんだ勘違いから




どうしたらいいのかわからなくてソファーに座るとカップを持って戻ってきた部長が


「これ飲んだら少しは気分が良くなると思うんだけど。」

とカップを見るとホットココアが入っていた。




「ありがとうございます。

あの、部長、


さっきの事なんですが…」


「ん?

ああ、


さっきは悪かったな。

いきなりあんな事して。

勘違いも程々があるよな。」



「やっぱり告白は勘違いなんですね。


そりゃそうですよね、私の事全く女としてみてくれてなかった部長が私みたいな女に告白してくれたことなんて。」


「エッ、

なんか勘違いしてないか?


告白したのは本気だ。


ただキス無理やりしたの謝っただけだけど」となんと語尾が恥ずかしそうに小さくなる。


いつも自信たっぷりの部長がこんな小さな声で照れている。


「俺の一方的な気持ちだけでキスしてまこが迷惑だったら謝る。


でも俺はお前のことが好きだ。


前から気になってたけど、好きになったらいけない奴だって思ってたから。」

悲しくなった。好きになったらいけない奴なんて言われて


「やっぱり私の家が水友財閥だからですか?」


そうだったら仕方ないよね。


どうせ私はいつか政略結婚させられる身。

大学時代の彼氏で存分わかってるはずだから…



「財閥とかは関係ない。

違うんだ。



その、俺の勘違いというか思い込みがな。」


なんか口を濁しているみたいな話し方に


「部長、私は告白されて嬉しかったです。

何度も部長と食事に行って、私を割れ物を触るみたいなお嬢様扱いしなくて

いつも紳士的に一線をおいていてくれた部長が好きって言ってくれて。




私いつの間にか部長と過ごす時間を楽しみにしてて。


でも、聞いちゃったんです。

今日課長と話してるところ、

私と課長を引っ付けようとしましたよね。」







< 57 / 102 >

この作品をシェア

pagetop