とんだ勘違いから
お付き合い
そしてとうとう月曜日が来た。


今日は朝から緊張してたのか目が冴えちゃってる。




今日は歩いて駅まで行くことにしていたから

髪を念入りにセットして少し早めに家を出た。



先を歩いている部長を見つけた。


しゃきっとスーツを決めて足取りも軽快に見えるというより少し急いでいるのかな。



少し小走りで追いついて部長の肩を叩いておはようの挨拶をして部長の顔を見たらとっても疲れた顔をしていた。




「ああ、おはよ。」


と一言返事があるだけ



「あの、どうかしましたか?

体調が悪いとか?」



私のことをちらっと見るだけで

「いや、ただ...

あんまり寝てないんだ。」



私みたいに楽しみで寝付けなかったんじゃないって言うのが一目でわかって



「体調が悪いんだったらお家に帰られたほうがいいんじゃないですか。」


というと困ったような顔をして



「仕事してるほうが落ち着けるはずだから…」


と全く元気がない。



「あっ、


あの、会社までご一緒させてもらっていいですか?」


と尋ねると


「ああ。」


と返事もそっけない……ちょっと落ち込んじゃいそうだよ。



ほとんど会話のないまま会社までの道のりを一緒に歩いていると

課長が駅から一緒になった。



「部長、この前はご馳走さまでした。

川手さん体調はどう?」

いつもの課長の口調だから会社で何かあったんじゃないんだっていうのはすぐにわかった。




「ああ。」とまた課長に対する返事もそっけなくて私と課長は顔を見合わせて目でどうしたの?と部長を探るみたいなそんな感じ。



でもその答えは会社のロビーを通り過ぎてすぐに分かった。





綺麗な女性が部長に向かって歩いてきた時の部長の顔はとっても迷惑そうに見えたから。






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