とんだ勘違いから



会社に戻ってパソコンに顔を向けていると


「あの、部長?お話が。」



とまこが心配そうに話しかけてくる。


俺今日一日まこに心配ばっかりかけているな、なんて思いながら


「あっ、何だ?」


と話を聞こうとすると、少し間が空いてから



「先ほどの女性のことです。えっと、あのー、」



すごく不安げに俺のことを見るまこはもしかしたら俺があいつのことで落ち込んでいるのをわかったんだろう。


俺は思わず立ち上がり彼女を抱きしめて

「俺が好きなのはまこだけだ。お前も俺のこと好きだろ?」



なんて聞くのは自分のエゴだ。


「はい、部長が好きです。ここにいますから。」


だがそう言われて俺はこんなに癒やされたことに安堵し


「ありがと。お前が好きだ。」


とつぶやいて


「ちょっと出てくるから、仕事そのまま続けておいてくれ。」



早く捜査を終えてもらおうと会社を後にして須藤さんに連絡した。



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