とんだ勘違いから



課に戻って仕事を終わらせると私は広陵さんに、



「お先に失礼します。」


というと足早に会社を後にしてお父さんの会社に向かった。





もちろん、会社に足を運ぶことなど皆無な私だから受付で秘書の堂島さんに迎えに来てもらった。




「お久しぶりですね、お嬢様。

今日は如何に?」


私が子供の頃から堂島さんはお父さんの秘書をしているから私のことを今でも、お嬢様って呼ぶ。



「堂島さん、


お父さんに話があるんですけど今良いですか?」


いつも週末に過ごしているのを知っている彼が少し驚いたような顔をしたけど

すぐに平然として


「ええ、もちろん。

それでは参りましょう。」



と促されて私はお父さんのいる部屋へ向かった。




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