とんだ勘違いから
「お父さん、話があるんだけど。」
「ん?
どうしたまこと?
こんなところまで来て。
ま、座りなさい。」
そう言われてソファーに座るとお父さんが机から立ち上がって私の向かいのソファーに座る。
すると堂島さんがドアをノックしたと思うとお茶とケーキを持ってきた。
「ま、堂島は気にしないで話したらどうだ?」
私が躊躇しているのでお父さんが促す。
「どうしてあの人と会ってたの?」
するとお父さんの顔色が変わった。
「誰のことかな。まこと?」
「しらばっくれないで、私と広陵さんが一緒の時にいた人よ。」
「広陵さん?誰だそれ?」
まだすっとぼけようとしているのかお父さんがのらりくらりはぐらかすようで
「海よ!
お父さんだって覚えてるでしょ!
あの時あんなふうに私の事を使ってた人。」