我 、君ヲ愛ス…っ⁉︎
見えてます
忘れもしない、高校一年生の夏。
日付けは確か……7月7日、七夕祭りの日のこと。
「ーーおばちゃん、お客様ひと段落ついたよ」
「あらまぁ。公美ちゃん、毎年手伝ってくれてありがとねぇ」
「えへへ……私も好きでやってるだけだから」
私、栗原 公美は毎年七夕祭りになると、親戚のおばちゃんが開いている屋台の手伝いをしていた。
今年もまた然り。
「それにしても、今年は去年以上にお客様多いみたいだね」
「そうねぇ……まぁ、お客様が多いことはいいことよ」
おばちゃんは上品に笑うと、よっこいしょと腰を上げ、エプロンを付け始める。
「公美ちゃん、店番は私がしておくから、少し休憩してきなさいな。この分だと、あと三十分は私一人で大丈夫みたいだからねぇ」
「あ、じゃぁ……お言葉に甘えようかな」
おばちゃんのいう通り、ピークは乗り越えたし暫くは暇になりそう。
といっても、休憩なんて気を遣ってくれなくていいのに……。
あんまりウロウロしてたら、クラスの子とかに会っちゃうかもだし。
それ以前に……。
辺りはどこも彼処も人、人、人‼︎‼︎
あっという間に人酔いしちゃうよ……。