我 、君ヲ愛ス…っ⁉︎


「ーーりゅうせん」



ーーズキンっ‼︎



頭に奔る、確かな痛み。



痛みとしては一瞬だったけど、私は思わず下唇を噛み締めた。



「……さと」



「なんでもないっ!驚かせちゃった?ごめんごめん」



一人になりたかった。



相馬が私のことを心配してくれているのは、痛いほど伝わってくる。



それでも、今は……



「……」



相馬もそんな私の気持ちを読み取ったのか、黙って部屋を去っていった。



足音が遠ざかるにつれて、私の鼓動は大きくなる。



脈打つ心臓。



私は、手の中にある水晶を握りしめた。



【りゅうせん】



相馬が言った言葉が、何度も頭の中を駆け巡る。



私は……その名前を知っている。



というよりも、つい最近耳にしたような気がする。



ーー 一体、どこで



龍泉




その言葉は、決して口にしてはいけない。



心の中で、誰かがそう叫んでいる。



頭の中の危険信号が、鳴り響く。



それでも、



「ーー龍、泉」



私は、唇の動きを止めることができなかった。


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