我 、君ヲ愛ス…っ⁉︎
憑かれてます、私
「あ、サトちゃんおはよう」
翌朝、玄関を出るとちょうど隣の義之さんと一緒になった。
義之さんは従兄弟である相馬 克仁のお兄さんで、大学2年生。
「義之さん……お、おはようございます」
大丈夫……だよね。
「……どうしたの?なんだが顔色がわるいけど」
「え、だ、だいじょうぶ……です、はい」
顔を覗き込もうとする義之さんに、私は慌てて顔を背けた。
「本当に?」
「は、はい。絶好調です」
なんか、あちらこちらに変な浮遊物体が見えるだけで……
『ーー公美様』
「ひゃっ……‼︎⁉︎」
頭の中だけて響く声に、思わず悲鳴を上げる。
あ、龍泉…か…
『……気にしなくても大丈夫ですよ。彼の者たちが、公美様に被害を及ぼすことはありませんから』
(そ、そうなの……?)
『ーはい』
龍泉がふわりと笑う。
でも……やっぱり霊はちょっと…ね。
見慣れてないし、今まであんまり信じたことなかったし。
私はドキドキと鳴る胸を押さえたまま、その場で立ち止まっていた。