我 、君ヲ愛ス…っ⁉︎

定まらなかった目の焦点が、徐々に合い始める。



ゆっくりと視線を上げると、そこには若草色の着物を着た、髪の長い男の人。



……誰だろう。
神主さんの親戚……とか?



だから、何処となく他人とのオーラが違うのかな。




『ーーやはり、私が見えているのですね』



しっかりとした雰囲気の割りには、少し奇妙なことを言う。



男の人は優しく微笑みながら、私の頬を撫でた。



「……ぁ……」



長い指が、少しこぞばゆい。



ーーー貴方は一体……



そう言葉にしたかったけれど、睡魔の波に邪魔される。



ーーー眠い。



『ーーどうぞ、力を抜いて。……大丈夫、貴女の目が覚めるまで、私が傍に着いていますから』



「ぁ……りが……と」



まるで子守唄のような優しい響きに、私は抗うことなく意識を手離す。



『ーーーー』


ーーえ、なに?



いま、なんて……?



囁きの声は、私の耳に届くことはなかった。
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