メガネと海と空の色
「…俺、職員室行ってくる。
替えの机貰ってくるから」
男子の一人が、教室を出て行った。
「…俺も手伝う!」
さらにもう一人。
「…バケツ、片づけるよ」
持とうとしたバケツは、女子に取られた。
「俺、この机運ぶわ。職員室持ってけばいいよな」
「馬鹿」「調子のんな」「ビッチ」など、
とても頭がいいとは思えない落書きだらけの机は、
「落書きが落ちないので新しい机をください」という
証拠に使われるだろう。
「みんな…」
雅人はまた泣きそうになっていた。