メガネと海と空の色



「…俺、職員室行ってくる。

替えの机貰ってくるから」


男子の一人が、教室を出て行った。


「…俺も手伝う!」


さらにもう一人。


「…バケツ、片づけるよ」


持とうとしたバケツは、女子に取られた。


「俺、この机運ぶわ。職員室持ってけばいいよな」


「馬鹿」「調子のんな」「ビッチ」など、
とても頭がいいとは思えない落書きだらけの机は、
「落書きが落ちないので新しい机をください」という
証拠に使われるだろう。


「みんな…」


雅人はまた泣きそうになっていた。



< 10 / 44 >

この作品をシェア

pagetop