メガネと海と空の色



正直、凄いと思った。

あんな拙い言葉で、怒鳴って、
こんなにも人を動かせるなんて。

到底私にはできない。

私にはできない事が、この人にはできる。

それが羨ましくて、どこか眩しかった。


「新しい机貰ってきたぞー!」

「あの机、先生で片しとくってさー」

「吉田! バケツ水入れ過ぎだよ! 重かった!!」


私の周りに、人が居る。


「今までごめん。雅人の言う通りだよな。

これからは俺らも、できるだけ協力するから!

嫌がらせなんて気にすんなよ!」


会議や報告以外で、こんなにたくさんの人の視線を浴びるなんて。



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