メガネと海と空の色
意味がわからない、と言い返そうとするのに、
その前に手を捕まれた。
「はいっ、日焼けしないように!」
「あっ?!」
置いていた帽子を被らせられ、
手を引かれる。
ただでさえ見えないし、
足元は砂だから歩き難い。
「ちょっと…もう!」
「この距離なら、俺の事見えるよね?」
「見えるけど…!」
「ちゃんと見てて。俺がちゃんと連れてくから」
繋がれた手は熱くて。
がっしりした背中を思い切り押してやりたい、とか。
せめてどこに行くのか言えとか。
てゆーか眼鏡返せとか、「雅人やるーっ!!」っていう
外野の冷やかしがうるさいとか。
色々思うのに、何一つ言えなかった。