メガネと海と空の色
「じゃーんっ!」
連れてこられたのは、岩場。
「…蟹でも取るの?」
「まっさか! ほらっ、前見て前!」
歩き難いからと下げていた視線を上げて、
言われた通りに前を見る。
広がっていたのは、グラデーションがかった一面の青。
さっき空を見た時よりも、綺麗に見える。
「…綺麗…」
「でしょー?」
「ここ、来た事あるの?」
「ううん? 誰か人の居なさそうな所ー、と思ってただ歩いてただけ」
適当か!!
「それなのにこんな景色に出会えるなんて、ラッキーっしょ」
「…そうね」