メガネと海と空の色
「…ありがとう。でも、落ちついて。
ほら、ね? 私は平気だから」
「でもっ」
「みんなも、気にしなくていいわ。
面倒な事には関わりたくないわよね。わかってる」
「樹ちゃん…!」
「私が気にしてない事を気にしてどうするの」
納得のいかなそうな雅人に苦笑を漏らすと、
叱られた子どものように唇を尖らせた。
「…樹ちゃんが気にしてないからだよ。
好きな人を守りたいって、思ってるだけ」
またここでも告白か。
「…はいはい」
まだ泣きそうな雅人の髪を撫でて、
バケツを片づけようとする。