桜ノ華
今日は日差しが強いけど、
木々が防いでくれるから心地いい。
今にも寝てしまいそうだ。
うとうととした頃、がさりと音が聞こえた。
足音だ。
目を開けると、そこに立っていたのは憧れの彼。
「…南十字 啓志様…?!」
驚いた所で、あられもない自分の姿を思い出す。
大の字で草の上に寝転がっているなんて、
あるまじき失態だ。
「あ、あのっ、これは!」
慌てて起き上がり、咄嗟に正座になって言い訳を考えた。
「ここは心地がいいな。昼寝したくなる気持ちもわかる」
「…え?」