桜ノ華
生徒会の解散式。
壇上に立つ啓志の傍らに立ち、その横顔を眺める。
こうしていられるのも、今が最後だ。
『最後に、…こんな私を生徒会長として任命してくださった前生徒会長に、
そして信任してくださった全生徒に、応援してくださった教員の皆さまに、
協力してくださった生徒会メンバーに、心から感謝を申し上げます。
…本当にありがとう』
「ちょっとやだ、会長…」
後ろで、瀬崎と大神が涙ぐんでいる。
『そして、桜』
「え…」
『いつも傍で支えてくれて、ありがとう。感謝している。
君がいなければ、今の俺はいないだろう』
「啓志さん…」
『俺が生徒会長じゃなくなっても、君は傍にいてくれるだろうか』
「…もちろんです…!」