桜ノ華



颯爽と立ち上がり去った啓志の背中を、
いつまでも見つめていた。

ずっと見ているだけだった人と、
あろうことか話をした。

自分の事を知っていた。

自分の名前を、呼んでくれた。

まるで夢のようで、
信じられなくて。

結局午後の授業には遅れてしまった。







「南十字様よ!」


放課後。

校舎から出て行く啓志の姿を見た。



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