桜ノ華



陽人が顔を覗き込んでいる。


「あ、っ…ごめんなさい! なんか、あの、…初めてで」

「初めて?」

「こういうの…いいですね。温かいです、凄く」


そして味噌汁に手を付けた。


「…おいしい」


お腹の子にも、こんな温かさを教えてあげたいと、そう思った。







―あなたは今どうしているのでしょうか
 どうか私がいなくても笑っていてください



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