桜ノ華
安らぎ
「うん、今月も順調」
「よかった…」
「何か心配事はない?」
「はい、毎日楽しいです」
あれから3か月が経ち、お腹の膨らみも目立ってきた。
「仕事も無理しないでね。辛い日は休むんだよ?」
「はい、ありがとうございます。
でも晴海さんは十分気遣ってくださっていますし、
もう安定期ですし…いつまでも貯金では暮らせないですし」
「…頑張りすぎないでね。俺に何かできることがあったら、頼って」
陽人の好意には、気づかない振りをしていた。
啓志に黙って、啓志の子を産もうとしている自分が、
新たな恋などできるはずがないと思ったから。